イノベーションの普及学 〜QWERTYキーボード 複雑な文字配列なのになぜ使われる?〜
皆さんは、パソコンのアルファベットの配列を不思議に思ったことはありませんか?
実は1900年代初頭にはDvorakキーボードと現在、みんなが使っているQWERTYキーボードの2つが存在していたのです。
しかし、片方は時代とともに消え去ってしまいました。
なぜ消え去ったのか?。。。
【Dvorakキーボード】
Dvorakキーボードは1932年にワシントン大学の教授であったAugust-Dvorakが人間のタイピングの動きを研究・分析して考案されたより効率的なキーボードです。
真ん中により使用頻度の高い文字を配置し上下の文字は使用頻度が少ないものがおかれています。
研究されより効率的に改良されたDvorakキーボード
The Dvorak Keyboarddvorak-keyboard.com
【QWERTYキーボード】
一方、QWERTYキーボードは1873年にChristopher L. Sholesという人が発明したキーボードです。このキーボードは当時、高速で文字をタイプしようとすると文字が詰まってしまうという問題がありSholesがよりタイピング速度を遅くさせる配列にすることで問題を解決するために発明しました。つまり、あえてタイピング速度が落ちる配列にしたのです。
一般的なQWERTYキーボード
Switching from QWERTZ to QWERTY on macOS – Florian Hirsch – Mediummedium.com
そして現在、DVORAKキーボードを使う人は消えていき、多くの人が今もQWERTYキーボードを使っているのです。
では、なぜ、あえて非効率的に作られたQWERTYキーボードが主流となり、効率的に研究して改良されたはずのDvorakキーボードが消滅した行ったのでしょうか?
【理由1 - 複雑性】
1つ目の理由としては、タイピングを習得するにはいくらDvorakキーボードが簡単になっているとはいえ、やはり習得までには時間がかかるというコットが一つの問題です。
いわゆる、新しいイノベーションが社会に採用されるにはシンプルで簡単であるということが必要だということです。
だから、あえて時間をかけてまでQWERTYからDvorakキーボードに移行しようとする人がいないのです。
RogersはこれをComplexityという言葉を使って本の中で説明しました。
今後、どんどん理由を追記していきます!
(少々お待ちください!)