Theory of Mind(心のの理論) 〜心を読む力〜
今回のテーマは人間がどのように「相手の気持ちを考える」ことの発達過程に関して考えていきたいと思います。
今回のタイトル Theory of MInd(心の理論)は「他者の心を類推する能力」です。例えば、相手が何を望んでいるのか類推したり、相手が信じていることを類推したり、することです。
Imitation
人間は生まれてすぐ(数時間以内)で人の顔の表情を真似る能力があります。
成長するとこんな可愛らしいものまねができます!
ちなみに、犬のImitation能力も凄すぎます!
これらのモノマネをするのに必要な能力として以下2つが挙げられます。
1. 誰を真似すべきいいのか(誰が自分と親しい社会的パートナーなのか)がわかるということです。(父親・母親や飼い主など)
2. 対象人物に注目して観察する能力→じっくりと目を向けないと真似できません
さらに、成長すると
Joint Attention(共同注意)能力を身につけます。
共同注意能力は、ただ注目するだけでなく親と一緒に一つもの(おもちゃなど)で遊ぶ能力です。他者と同じものに目を向けて楽しみな時間などを他者と共有する能力のことです。
そして、Joint Attentionができるということは上記に加えて
3. 見て学ぶ力がついたということです。
例えば、親がボールで遊ぶの見てボールは一体どうやって遊ぶものなのか(転がしたり、投げたり)を理解したから楽しむことができるのです。
さらに、
上記の写真はGergely, Bekkerng and Kiralyの比較実験です。黒い箱には真ん中にライトがついていて顔を近づけるとセンサーで反応して光がつく仕組みになっています。(a)は手を横にかざさず、(b)手を横にかざした場合で赤ちゃんがどのように光をつけるのか?特に手を使うかの有無に注目しています。
なぜなら、手の存在はライトがつくかどうかに関わってないから!
もし、赤ちゃんが見たまんまに行動すれば、手が塞がれているときはそのまま手が塞がれた行動をとります。しかし、論理的に光がつく現象を考えていればてがふ
上記の実験は、箱の中にあるおもちゃをどのように救出するか父親の見た後に、無駄な動きも(おもちゃを開けるのに必要のない動作)真似して開けるのかを調べた実験です。
その結果、箱の上部を叩いたり、棒を差し込んだり不必要な動作も真似しておもちゃを取り出しました。この現象をOverimitation(過剰模倣)と言います。
ちなみに、子供たちは、必要な動作と無駄な動作の違いに関しては口頭で尋ねることと理解していることがわかりました。
さらに、競争させたり・時間制限をつけるなどしても彼らは素早くは行動するが不必要な動きを省くことはしないということがわかりました。
これらを通して、赤ちゃんが人をじっくりと観察し模倣する能力はあるが、他人の心を類推することが可能なのかどうかはわからないということです。なぜなら、模倣するためにその行動をとる理由を知る必要はない。
このブロッコリーとクラッカーの実験で明らかなのは18ヶ月の子供は「相手は自分と違ってブロッコリーが好きだ」ということを認識したのでブロッコリーをあげて、より小さい少女は、自分がクラッカーがブロッコリーより好きだからクラッカーを与えたということです。つまり、18ヶ月になれば相手の「欲しい」気持ちを類推することができました。
さらに、
サン・アリータスクとスマティータスクという誤信念タスクの実験を次回紹介します。