Utahの留学報告書

アメリカに留学して実際の授業の内容や生活で気づいたことをシェアしたいと思い始めました。

ジャン・ピアジェの物体の永続性批判

               「object permanence」の画像検索結果

前回の、ジャンピアジェの思考発達段階説によると、赤ちゃんは2歳を超えるまではものを記憶することができないということを学びました。

 

なぜなら、「赤ちゃん(2歳児以下)目の前にあるおもちゃに興味を示す(手を伸ばす)」→「おもちゃを紙や布で赤ちゃんの視界から外す」→「赤ちゃんが手を伸ばすのやめた」。

それに対して8ヶ月以下の赤ちゃんに対して行うと「一部だけ隠されたおもちゃに対しては手を伸ばし続ける。」

12ヶ月以下の赤ちゃんの場合、「完全に隠されたおもちゃに手を伸ばしてさがす。」

この実験結果から、最初、赤ちゃんは視界にないものは心からも消えて記憶することができない。そして、記憶は徐々に発達してするということです。

今回はこの現象を別の観点から説明してみようということです。

 

 

Habituation Revisited

赤ちゃんに同じ刺激(四角形を見せる)を繰り返し与え続けるという実験を行いました。すると、繰り返せば繰り返すほど興味を示さくなりました。

一方、別の刺激(三角形を見せる)と興味のレベルが増加したという結果が出ました。

別の実験でも明らかのように、赤ちゃんは繰り返し同じものを見せると飽きてしまい、逆に 期待に反したもの/常識ではあり得ないこと(重力に逆らうマジック)を行うと反応が良くなりました。

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上記のDr. Baillargeonが行った実験によると赤ちゃんは過去に行っているものや常識を記憶しているから反応に違い出てくるということが考えられます。

 

そして、物体の認識に関して更なる実験を行いました。

Not A But Bということが前回の記事でわかりました。

Not A But Bとは左右2つの布を用意してどちらか片方におもちゃを隠します。そして、最初は常に左の片方に隠し、その後突然右の布に隠す(子供が右の布に入れたのを認識している状態で)という実験です。その結果、8〜12ヶ月の子供に関しては常に左の布に隠していた時は正解するのですが、右の布にチェンジした場合も同様に左の布を探すのです。

 

しかし、この実験に関してさらにわかったことがあるのです。

それは、彼らが結果として不正解であっても、正解の場所をじっと見つめることができるということがわかったのです。

ここから言えることは、彼らは左から右の布に移ったということを認識していることがわかります。

また、赤ちゃんの姿勢を変えることによって記憶に影響を与えて誘導することも可能だということわかった。

 

  • この実験はモノの存在を理解することだけでクリアできるタスクではないということがわかる
  • 今までずっと繰り返し行ってきたことに対して反しなければならない(固執性)
  • このタスクのみに注目しなければならない。姿勢が変わったり、ほかの何か面白い変化を無視しなければならない。

なぜできるようになっていくのか?

Diamond (1991)は前頭葉の発達でこの現象を説明しました。子供は存在は認識している。ただ、前頭葉が未発達の場合、固執性を止められずに、誤った場所を繰り返し示してしまう。未発達だと正しい判断を示すことができない。

前頭葉が損傷している成人男性は仕事を通常レベルで行うことができない。)

 

前頭葉が発達することで、抑制力、ワーキングメモリー、注意を向けるべきところに向ける力が増加し可能になってくる。